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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
奨励賞候補(3)
子宮内膜ポリープの治療とその効果に関する検討


鶴賀 哲史, 黒澤 貴子, 和田 修, 織田 克利, 大須 賀穣, 藤原 敏博, 百枝 幹雄, 久具 宏司, 西井 修, 堤 治, 武谷 雄二
東京大学附属病院産婦人科


 子宮内膜ポリープは子宮内膜組織が子宮内膜基底層から限局性に増殖発生し,発育する良性疾患と定義され,不正性器出血や過多・過長月経の原因となるが,不妊患者で経腟超音波により偶然発見される無症状の症例もある.子宮内膜ポリープが不妊原因となるか否かの報告は少なく,当科においても明確な治療方針は定められていない.そこで今回,当科における子宮内膜ポリープ症例を主訴,性状および大きさで分類し,治療や予後について検討した.対象は2001年1月から2003年3月の期間に子宮鏡検査により子宮内膜ポリープと診断した59例である.主訴は,不妊27例,過多月経24例,不正性器出血7例,月経異常2例,無症状1例である(重複含む).これらの症例はいずれも経腟超音波で子宮内膜の肥厚やポリープ像を認めたため,月経終了直後に子宮鏡検査を行った.治療は,子宮鏡下手術19例,EP剤内服投与21例であり,その他の症例は鉄剤などの対症療法や定期検診,無治療のまま通院中止であった.治療の傾向として,子宮内膜ポリープが2個以下の症例に対しては積極的に子宮鏡下手術を行い,多発症例に対してはEP剤によるmedical curettageを行っているが,ポリープの大きさによる治療の違いは認めなかった.EP剤投与後,再度子宮鏡検査を行った9例中,5例にポリープの縮小または消失を認めた.一方,子宮鏡下手術を施行した不妊症例11例のうち,術後に妊娠した症例は1例のみであった.今回の検討から,過多月経や不正性器出血症例に対して低侵襲で対症療法としても有効なEP剤の使用は有用であると考えられる.一方,多くの不妊症例にはポリープ以外の不妊原因も考えられ,その治療に関してはさらに検討が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 389-389, 2003


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