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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【ランチョンセミナー4(2階・映像ホール)】
4.分娩におけるVirtual Reality(仮想現実)の応用


住本 和博
川崎市立看護短期大学


 少子化により年々分娩件数が減少している現在,質の高いケア,マネージメントを実施するためには,分かり易く,効率のよい医学・看護・助産教育が重要である.
 これまでも,分娩に関して,ファントームやビデオ,CAIなど各種教材が提供されてきたが,必ずしも十分満足できるものではなく,時々刻々変化する分娩の状況を的確に把握し,正しく対処するように指導するのは容易なことではなかった.
 一方,シネマに代表される映像技術の進歩は著しく,医学・看護教育にも応用される環境が整ってきた.即ち,コンピュータグラフィックスの世界は,従来高額な専用ハードウェアと特殊なソフト開発ツールを必要としたが,ゲーム人口の急激な増加に伴い,ハード的に安価で高性能なグラフィックカードの供給を可能にした.さらに,ソフト的にもWindows環境で3次元画像を高速に描画できるDirect3Dが提供され,立体の高速描画が安価に実現できるようになった.優れたアプリケーションソフトを開発しても,これを実行する環境が個々のユーザに提供されなければ普及は望めない.
 今回,市販のパーソナルコンピュータ上で,仮想現実の手法を用いて分娩経過に伴う母児の状態等をリアルに体感できるシステムを開発したので紹介する.
 3Dソフトにより母体,子宮,胎児,骨盤などをモデル化した後,これらを組み合わせ,マウス操作により容易に観察視点を変えられるようにした.さらに母体,子宮,骨盤,腟壁を母体正中を境として左右に半透明,透明表示に選択できるようにし,分娩経過による母体内を可視化した.高速描画により,分娩を進行させながら,同時に任意の視点からみることができる.分娩に関するさまざまな事象は,画面左側にメニュー表示し,この選択によりインターラクティブに分娩という事象を理解できるようにした.分娩の進行速度も3段階選択ができ,またタイムカーソルを指示することにより任意の時点までもどれ,納得いくまで繰り返し描画できるようにした.
 今回開発したシステムが,医学・看護・助産教育はもとより,産婦様や家族の方への分娩進行に伴う問題点などの補助説明ツールとして,また,母親学級,両親学級や性教育のための啓蒙ツールとして広く利用されればこの上ない喜びと考える.
(本研究は科学研究費補助金基盤研究A1課題番号12307058による)


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 406-406, 2003


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