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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症
腹腔鏡下に治療した膀胱子宮内膜症の一例


佐藤 英貴, 小川 智子, 高井 泰, 大須 賀穣, 藤原 敏博, 百枝 幹雄, 久具 宏司, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


 子宮内膜症とは,子宮内膜,あるいはそれと類似した組織が子宮内腔以外の場所に発生し,増殖する疾患である.子宮内膜症が尿路系に波及する頻度は低く,子宮内膜症例のおよそ3%に見られるに過ぎないとされる.病変の発生は膀胱に最も多く,ついで尿管,腎にみられる.尿路系に子宮内膜症が存在する症例では,約2/3に人工妊娠中絶術や婦人科手術の既往があると言われ,手術操作による子宮内膜症組織の播種が原因の一つとして考えられている.多くの尿路系の子宮内膜症では特異的な症状や理学所見に乏しいことから診断が困難である.しかし,超音波断層法,CT,MRIなどの画像診断法の進歩に伴い,尿路系における異常の発見が容易になり,尿路系の子宮内膜症の報告例が増加している.我々の経験した症例は42歳,既婚未経妊,膀胱三角部右側上方の膀胱底部に14×24mmの結節性の子宮内膜症病変を認め,漿膜側は子宮内膜症性の癒着病巣を形成していた.本症例の初発症状は月経時膀胱炎様症状であり,泌尿器科を受診.膀胱鏡にて膀胱内に膨隆する乳頭状の腫瘍性病変を認め,膀胱子宮内膜症を疑われ婦人科を受診した.経腟超音波及びMRI検査においても膀胱内に突出する病変が描出されており,診断に有用であった.本症例は多発子宮筋腫を合併しており,GnRHアゴニスト療法の後に,2003年9月に腹腔鏡下子宮全摘術,膀胱部分切除術を施行した.膀胱部分切除は尿管ステントを留置後,膀胱鏡の補助のもと腹腔鏡下に施行した.組織学的所見として,粘膜固有層から膀胱筋層,周囲の脂肪織にかけ,全層性に間質を伴う子宮内膜様組織を認めている.手術後に症状は消失し,現在再発の徴候は認められない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 160-160, 2004


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