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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
手術
急性腹症をおこした卵巣嚢腫茎捻転合併妊娠に対して腹腔鏡下手術を施行した3症例


松本 美奈子, 磯村 直美, 小林 奈央, 沼田 雅裕, 坪倉 かおり, 安達 博, 尾崎 智哉, 渋谷 伸一, 村越 毅, 中山 理, 成瀬 寛夫, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科


 【はじめに】近年,腹腔鏡下手術の進歩・普及は著しく,QOLの観点からも有用性が高い.一方,卵巣嚢腫は産婦人科領域で頻度が高く捻転などにより急性腹症をおこす疾患である.今回,妊娠初期に急性腹症をおこした卵巣嚢腫茎捻転症例3例に関して腹腔鏡下手術を施行したので報告する.【症例1】31才 1妊1産 妊娠10週に急性腹症にて受診.右卵巣は7×6cm,左卵巣は5×4cmに腫大.同日全身麻酔下に気腹法にて腹腔鏡下手術施行.右卵巣嚢腫の茎捻転(720度)で嚢腫摘出術(体外法)を施行.手術時間78分で組織は両側mature cystic teratoma.術後9日目に退院し,妊娠経過は良好.【症例2】33才 2妊2産 夜間に突然下腹部痛が出現し,翌日受診.妊娠8週で右卵巣は直径6×7cmに腫大.同日全身麻酔下に気腹法にて腹腔鏡下手術施行.右卵巣は540度捻転し右付属器摘出術施行.手術時間50分で組織はsimple cystadenoma.術後は2日目に退院.現在妊娠経過は良好.【症例3】27才 0妊0産 妊娠8週で突然の腹痛を自覚.同日全身麻酔下に気腹法にて腹腔鏡下手術施行.左卵巣は直径10×12cmに腫大し,720度捻転.嚢腫摘出術(体外法)を施行.手術時間62分で,組織はmature cystic teratoma.術後4日目に退院.現在妊娠経過は良好である.【結語】妊娠初期に急性腹症をおこした卵巣嚢腫合併妊娠3例において腹腔鏡下手術を施行し2例で患側の卵巣の温存が可能であった.また,術後早期に退院し妊娠経過は良好である.妊娠中の卵巣嚢腫茎捻転に対して腹腔鏡下手術が有用であったと思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 163-163, 2004


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