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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
手術
卵巣嚢腫破裂の手術中に悪性高熱症を発症した一例


杉浦 育子, 本田 能久, 藤本 喜展, 笠井 健児, 齋藤 優, 関 隆, 持丸 文雄
平塚市民病院産婦人科


 悪性高熱症は,吸入麻酔薬・筋弛緩薬の使用により高熱や筋硬直などの症状で発症し,無治療の場合は死に至る遺伝性疾患である.今回我々は,卵巣嚢腫破裂の緊急手術中に,本疾患と考えられる病態を呈した症例を経験したので報告する.患者は37歳女性.急性腹症で救急外来初診.CTで腹腔内に大きな嚢腫が認められ,卵巣嚢腫茎捻転の疑いで入院し,全身麻酔下での緊急手術となった.既往歴は21歳よりうつ病.セレネース・レボトミン・エバミールを内服中であった.導入にはプロポフォール,ベクロニウム,フェンタニル,維持には笑気,酸素,セボフルレンが使用された.麻酔開始後25分経過したところで体温が38.4℃,EtCO260台を示し,動脈血ガス検査で著明な代謝性アシドーシスを認めたため,悪性高熱症と診断し,麻酔開始後50分でダントロレンを投与した.早急に右付属器切除術を終了させ,ICU入室となった.血尿やCK・LDH値上昇は認めなかった.術後の経過は安定し翌日には一般病棟へ転棟,術後9日目に軽快退院した.本人および家族には遺伝性疾患である旨を説明した.悪性高熱症の頻度は50000に1例と稀であるが致死性であり,迅速で適切な治療を行えば救命しうるものであるため,全身麻酔手術例における救急疾患として記憶にとどめる必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 164-164, 2004


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