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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
腫瘍/思春期・更年期・老年期
突然の低血糖発作を契機に発見され,診断に苦慮した下腹部腫瘍の1例


市川 義一, 杉原 一廣, 橋本 正広, 根本 泰子, 服部 政博, 古川 雄一
静岡赤十字病院産婦人科


 我々は,突然発症した低血糖症状を主訴とする下腹部腫瘍に対し婦人科領域の疾患との鑑別に苦慮した1例を経験したので報告する.症例は75歳女性.4回経妊2回経産.既往歴:高血圧・脳梗塞(57歳),II型糖尿病(59歳),胆石(66歳,胆嚢摘出術).糖尿病に関しては2000年6月よりグリクラジド,ボグリボースにて加療HbA1c 5.4%まで低下したため,経過観察中であった.家族歴に特記事項なし.2003年12月突然,低血糖昏睡を来たし当院内科入院.全身検索で施行した腹部骨盤CTにて下腹部にφ14cmの結節性腫瘍および肝S7領域に転移性腫瘍を疑うφ3cmの孤立性病変を認めたため,2004年1月腫瘍の精査を目的として産婦人科転科となった.内診にて骨盤内に可動性の乏しい超手拳大の腫瘤を触知.子宮頸部擦過細胞診:class I,外子宮口は完全閉鎖.血清学的検査:CA125 15U/ml,CA19-9 17U/ml,CEA 3.16ng/ml,SCC 1.1ng/mlと正常範囲.LDHは281IU/lと軽度上昇.上部消化管内視鏡検査および注腸検査にて消化管原発腫瘍は否定的であった.病理学的診断のため肝臓の孤立性病変をエコーガイド下に針生検を施行するも,異常細胞を認めず.MRI・CT上,骨盤内を占拠する血流豊富な固形腫瘍であり子宮体部との連続性は不明瞭であった.原発不明の下腹部腫瘍として,同年2月試験開腹術を施行した.肉眼的に婦人科腫瘍は否定され,後腹膜側からS状結腸を前方に圧排して発育する超新生児頭大の腫瘍を認めた.豊富な栄養血管に取り囲まれた腫瘍のため,腹水細胞診と肉眼的検索のみで閉腹となった.今後,血管造影検査・塞栓術後再手術の予定であり併せて会場にて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 169-169, 2004


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