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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩1
重症心不全をきたした僧帽弁狭窄症合併妊娠の一例


向田 一憲, 加塚 祐洋, 永井 敦, 芥川 修, 磯 和男, 柳下 正人, 井坂 恵一
東京医科大学産婦人科


 僧帽弁狭窄症(以下MS)合併妊娠は,妊娠・分娩に伴う循環動態の変化により心不全を増悪することがあり,周産期死亡率は1%と報告され,心房細動(以下Af)が認められる症例では14〜17%と高率である.今回我々は,妊娠前よりNYHA3度の心不全・心房細動を呈していたMS合併妊娠経験したので報告する.症例は36才1経産.平成9年,リウマチ性のMSと診断され定期検診していた.平成10年,第一子を正常経腟分娩し妊娠・産褥経過に異常を認めなかった.平成11年ころより心不全徴候認められるようになり,PTMC(経皮経静脈的僧帽弁交連切開術)施行したが,治療に対するコンプライアンスが悪く通院も断続的であった.その後,NYHA3度の心不全・Afが認められるようになった.平成15年8月下旬を最終月経とし妊娠成立し近医にて経過観察していたが,妊娠22週,安静時呼吸苦が出現しNYHA4度の心不全のため当院搬送となった.入院時,左心耳内に血栓を認めた.入院後,β-ブロッカー・ジギタリス製剤・硝酸剤・利尿剤・抗血小板剤投与にて経過観察していた.分娩時期,分娩方法に関し,循環器科医・小児科医・麻酔科医・産婦人科医および家族と協議の結果,妊娠27週で帝王切開での分娩を選択することとなった.手術は観血的動脈圧・S-Gカテーテルにて循環動態をモニターし全身麻酔で行い,941g女児を娩出した.術中術後,得に問題なく第12病日退院となった.児は現在NICU入院中であるが経過良好である.母体が心疾患を有する場合,妊娠前に正確な心機能の評価を行うことが重要である.また,妊娠経過中に原疾患の増悪を認めた場合,薬物療法や児娩出など迅速な対応が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 178-178, 2004


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