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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩3
画像診断の組み合わせにより術前診断が可能で腹腔鏡下に治療しえた子宮腺筋症を合併した間質部妊娠の一例


窪 麻由美, 小堀 宏之, 五十嵐 佐和, 熊切 順, 安堂 裕介, 北出 真理, 武内 裕之, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科


 巨大な子宮筋腫や子宮腺筋症は,画像診断によっても着床部位の診断が困難であり,子宮外妊娠の診断に苦慮することが少なくない.今回,子宮体部後壁に巨大な子宮腺筋症を合併したため,子宮外妊娠の診断に苦慮した1例を経験したので報告する.症例は,38歳2経妊0経産.月経困難症を主訴に03年11月4日当科初診となった.初診時,子宮は新生児頭大,超音波検査,MRIにより子宮腺筋症と診断した.治療方針検討中に04年1月5日来院し妊娠が判明した.1月17日(妊娠7週3日)来院時,血中hCG 9460mIU/ml,経腹及び経腟超音波検査では子宮内に胎嚢を認めず,原疾患のため妊娠部位の同定が困難であった.MRIでT1 low,T2 high intensityの径2cm大の腫瘤が子宮内膜とは離れた左子宮角に認められたため,子宮外妊娠と診断し1月19日腹腔鏡下手術施行した.腹腔内所見は,新生児頭大の子宮とMRIでの腫瘤像に一致して左卵管間質部に径3cm大の膨隆を認めた.接触超音波により,膨隆内に胎児心拍が明瞭に描出された.バゾプレッシンを局注し,左子宮角をモノポーラーで楔状に切除し,筋層を2層に連続縫合した.術後経過は順調で,患者は術後2日目に退院し,血中hCGは1ヵ月後には測定感度以下まで低下した.子宮筋腫や腺筋症などの合併妊娠で子宮外妊娠が疑われる場合,着床部位の術前診断にはMRI,術中の確定診断には接触超音波が有用であった.これらの画像診断を活用することにより,これまで診断や治療が困難であった子宮外妊娠に対しても安全で侵襲の小さな腹腔鏡手術が施行可能である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 187-187, 2004


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