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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍4
子宮体癌を合併した卵巣顆粒膜細胞腫の一例


窪田 文香, 田畑 きく江, 高木 靖
諏訪赤十字病院産婦人科


 卵巣顆粒膜細胞腫は境界悪性腫瘍に分類され,臨床的には良性に経過するものが多いとされている.しかし今回,肝転移や腹膜播種を認め子宮体癌を併発し,手術施行後にTJ(paclitaxel/CBDCA)療法が奏効した症例を経験したので報告する.症例は71歳で,不正性器出血を主訴に前医より当院紹介初診となった.視診では皮膚や膣粘膜の所見が年齢に比して若い印象を受け,超音波検査で子宮腫大,内膜肥厚の他に,右付属器領域に直径7cmの腫瘤影を認めたため,ホルモン産生腫瘍の存在を疑い血液検査したところ,エストラジオール高値(67.8pg/ml)であった.また子宮内膜細胞診はClass5であった.さらに胸腹部CT,MRI検査にて右腹壁に直径5cmの腫瘤を認めた他,肝右葉から横隔膜にかけても直径4cmの腫瘤を認めたが,PETでは子宮内膜のみに有意な集積を認めた.子宮体癌と右卵巣腫瘍の診断で,腹式単純子宮全摘術及び両側付属器切除術,腹壁腫瘍切除術を行った.病理組織診断は,子宮体部はEndometrioid adenocarcinoma,endometrium G1 stage 1bであり,右卵巣と腹壁腫瘍はAdult granulosa cell tumorであった.PETの所見から肝腫瘍も顆粒膜細胞腫の転移巣と考えられた.子宮体癌の脈管浸潤を認めたため,術後化学療法としてTJ療法(paclitaxel:60mg/m2CBDCA:AUC1.3〜1.5 weekly投与)を施行したところ,残存腫瘤が縮小し,血中エストラジオール値も低下した.閉経後の不正性器出血では,子宮体癌のみでなく,エストロゲン産生腫瘍も念頭におく必要がある.本症例では腫瘍組織の鑑別にPETが有用であり,また,悪性な臨床経過をたどる卵巣顆粒膜細胞腫の化学療法として,TJ療法が有効である可能性も示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 257-257, 2004


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