関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
妊娠分娩2
ARDSに陥りながらも救命し得た急性妊娠性脂肪肝(acute fatty liver of pregnancy;AFLP)の一例


古俣 大, 安達 博, 磯村 直美, 高橋 泰洋, 成智 美恵, 松本 美奈子, 尾崎 智哉, 渋谷 伸一, 村越 毅, 成瀬 寛夫, 中山 理, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科


 【緒言】AFLPは1万5千例の妊娠に1例発症し,母体死亡率・児死亡率ともに高い疾患である.今回急激な経過をとったが,母児ともに救命し得た臨床的にAFLPと思われる症例を経験したので報告する.【症例】31歳,1経妊1経産,自然妊娠成立.妊娠中毒症及び切迫早産兆候は認めなかった.32週4日下腹痛・性器出血認め前医に入院,出血量増加のため当院に母体搬送された.当院到着直後に経膣分娩となった.(女児1338g,APGARスコア1分後2点,5分後4点)児はNICU管理となった.分娩直後は子宮収縮良好であったが徐々に出血量は増加.分娩後の採血で血小板9.1x104/μl,Fib 48mg/dl,TB 12.3mg/dl,眼瞼結膜・全身の皮膚黄染あり.AFLPによるDICと考え,治療を開始した.DICの改善なく,1病日には酸素投与にもかかわらず著明な低酸素血症を示し,胸部X線上肺門から両肺野にかけて浸潤影が出現,発熱・頻脈・多呼吸の存在からARDSと考えられた.全身管理目的にICU入室し人工呼吸器管理とした.高ビリルビン血症・ARDSに対して血液濾過透析・好中球エラスターゼ阻害薬投与を開始.DIC,呼吸状態は改善傾向を示したが,肝機能障害は続いた.4病日より血漿交換を計3回施行.8病日TB 21.6mg/dlと依然として高ビリルビン血症は続いた.12病日肝生検施行したが,びまん性に肝細胞のballooning・胆汁のうっ滞認めるが脂肪化の所見は認められなかった.13病日抜管.18病日より徐々にビリルビン値は低下していった.20病日ICU退室.肉眼的黄疸は認められなくなった.28病日血小板45.6x104/μl,Fib 262mg/ml,TB 2.3mg/dl.30病日退院した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 264-264, 2004


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会