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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
妊娠分娩3
塩酸リトドリン使用にて生じた薬剤性肝障害を伴う手掌紅斑の1例―ASTとALTによる検討―


矢追 正幸, 濱田 佳伸, 堀中 奈奈, 安藤 昌守, 杉山 紀子, 友部 勝実, 堀中 俊孝, 榎本 英夫, 林 雅敏, 大藏 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科


 症例は31歳 未産婦.家族歴や既往歴に特記すべき事なし.平成15年6月2日より5日間を最終月経とし自然妊娠成立.妊婦健診上異常はなかった.平成16年1月26日(妊娠33週1日),出血を伴わない頻回の下腹部痛を主訴に来院した.受診時の所見は血圧125/80mmHg,胎児推定体重2200g,子宮頚管長25.9mm,内子宮口は7.6mmと開大していたが,外子宮口は閉鎖していた.CTGはreactiveであり,不規則な子宮収縮を認めたために入院とした.入院時の血液生化学検査では異常を認めず,5%グルコース500mlに塩酸リトドリン1Aを溶解した点滴を100μg/minの速度で末梢静脈血管から投与した.投与6日後に両手背に小さな血管腫が出現し,7日目には手掌紅斑を認めた.同日の採血でAST 130 IU/L,ALT 164 IU/Lの上昇をしたが,子宮収縮の改善を認めずそのまま経過観察とした.その後ALTのピークを14日目に認め,185 IU/Lであった.それは肝庇護剤の使用なく,点滴速度を50μg/minに減量する前の時期であった.以降ASTとALTの推移は下降傾向となり,このことに一致して手掌紅斑と血管腫の消失傾向も認め,妊娠38週1日の妊婦健診には完全に消失していることを確認した.【結語】薬剤使用時には患者の全身状態をみる事と,検査値のピークを考慮した治療方針も必要と思えた.塩酸リトドリン使用で肝機能障害を伴う手掌紅斑を認めた症例をMEDLINEで検索した所,報告例はなかった.当日,妊娠時の肝機能異常疾患と薬剤性肝障害時の対応について,若干の文献的考察とともに報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 268-268, 2004


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