関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
妊娠分娩4
妊娠中に急激な増大を認めた膵粘液性嚢胞性腺癌の一例


松永 竜也, 加藤 隆, 田村 正明, 小平 博, 今井 一夫
横須賀市民病院産婦人科


 膵粘液性嚢胞腫瘍は比較的年齢が若く,症例の殆どが女性である稀な疾患である.予後は手術の遂行度や組織的悪性度に相関するものの,腺癌であっても一般的な膵癌と比べると予後が良いとされるが,治療の主体は手術による摘出であり,術後の追加治療や管理に一定の見解がない.一方で組織学的に卵巣様間質を認めることもあり,女性ホルモンとの関連が考えられている.今回我々は妊娠24週急激な増大を認めた膵粘液性嚢胞性腺癌を経験したのでこれを報告する.症例は28歳1経妊1経産,平成16年1月20日無月経を主訴に近医を受診した.この時妊娠7週であり,子宮・両側卵巣共に異常を認めなかった.以降順調に経過するも5月上旬頃より左上腹部腫瘤感を自覚し,同月22日健診にて子宮上方に位置する小児頭大の腫瘍を認め,当院紹介受診となった.骨盤MRIでは壁在結節を伴った多房性の腫瘍を子宮底部の頭側に認めた.卵巣癌腫瘍マーカーは正常範囲であった.妊娠24週巨大卵巣腫瘍合併の診断で開腹手術を行ったところ,腫瘍は卵巣由来ではなく後腹膜,膵臓より発生する腫瘍であり,膵頭尾部切除及び脾臓摘出術を行った.病理診断は,mucinous cystadenocarcinoma of pancreasであった.腫瘍内細胞診class III,progesterone receptor(+)であり,妊娠継続による腫瘍への影響は否定できないが,切除断端(−),肉眼的腫瘍残存がないことからinformed consentを行い,現在妊娠継続観察中である.今後妊娠継続期間などについて外科・小児科と共に検討していく予定である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 269-269, 2004


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会