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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
胎児新生児3
パルボB19感染による胎児水腫に対する胎児輸血の一例


鈴木 泉1), 和知 敏樹1), 林 聡1), 左合 治彦1), 久保 隆彦1), 北川 道弘1), 名取 道也1), 篠塚 憲男2)
国立成育医療センター周産期診療部1), 帝京大学産婦人科2)


 【諸言】ヒトパルボウイルスB19(以下パルボB19)の胎児感染の多くは自然軽快するが,重症例では胎児造血機能の障害により胎児水腫,子宮内胎児死亡に至る.今回我々は,パルボB19の感染による胎児水腫の増悪を認め,胎児輸血治療を行った症例を経験したので報告する.【症例】40歳,3経妊1経産.妊娠13週ごろ第一子が伝染性紅班に罹患した.15週0日,母体に微熱,全身の紅班が出現,抗B19抗体IgG,IgM陽性であった.23週1日,胎児水腫の診断で当院紹介,経腹超音波検査で胎児腹水を認め,中大脳動脈収縮期最高血流速度(MCA PSV)は0.603m/sであったが,皮下浮腫は認めなかった.23週4日,皮下浮腫を認め胎児貧血の増悪と診断,臍帯穿刺で臍帯静脈血Hb2.6g/dl,Ht8.2%であり,輸血後Ht25%を目標とし,O型Rh(−)血を臍帯静脈に25ml輸血を行った.輸血後臍帯静脈血はHb8.2gdl,Ht25.4%,24週1日,MCA PSVは0.460m/sまで低下した.24週4日,MCA PSV 0.610m/sと再上昇を認め,24週5日,再び臍帯穿刺施行.胎児血Hb6.3g/dl,Ht62%で臍帯静脈に15ml,腹腔内に26ml胎児血輸血を行った.25週1日,MCA PSV0.45m/sに低下,皮下浮腫,腹水も軽快した.現在外来で経過観察中であるが,胎児血流や胎児心拍数図で異常を認めず,胎児水腫所見は認めていない.【結語】胎児輸血は臍帯穿刺による児へのストレスや輸血後感染症等の問題があるが,パルボB19による重篤な胎児水腫の症例に対し有効であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 290-290, 2004


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