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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣良性腫瘍
胸膜炎を併発した卵巣皮様嚢腫破裂の一例


根岸 靖幸, 品川 寿弥, 石野 博嗣, 吉田 有里, 松橋 智彦, 山本 晃人, 中川 道子, 土居 大祐, 米山 剛一, 竹下 俊行
日本医科大学付属病院産婦人科


 卵巣嚢腫の破裂はしばしば日常診療で遭遇するが,皮様嚢腫の破裂は比較的稀とされている.今回,胸部痛,胸水貯留を併発した卵巣皮様嚢腫の破裂例を経験したので報告する.症例は45歳2経妊2経産.軽度の下腹部痛を主訴として当科を初診,直径5cm大の左卵巣皮様嚢腫を疑われ腹腔鏡手術予定となった.手術待機中,突然右肋骨弓下,右肩に放散する疼痛出現し当院内科受診したところ胸水貯留を認め入院となる.疼痛は呼吸,体動に伴って増悪し,下腹部にも軽度疼痛を認めた.心電図,感染症,膠原病など内科的検索を行うも異常所見なく,また手術予定であったため当科へコンサルトとなった.経膣エコー及び腹部CT上明かな腹水貯留は認められず,腫瘍径も外来時とほぼ変化はなかった.胸部CTにて胸膜の肥厚が認められ,上記の胸膜炎症状と卵巣嚢腫の因果関係が否定できず,開腹手術となった.術中,腹腔内に少量〜中等度の脂肪様の腹水貯留を認め,特に肝ドーム直下に多かった.腫瘍内容物と腹水は肉眼的に一致していたが,左卵巣は直径5cm大で初診時と変わらず,今回の内容漏出はごく少量であったと思われた.以上より皮様嚢腫の破裂では,少量の内容漏出でも本症例のような胸部症状,胸膜炎を起こす可能性が示唆された.他の腫瘍の破裂症例との鑑別,急性腹症の鑑別を中心に報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 295-295, 2004


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