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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【シンポジウムII 1.53歳,子宮頸癌IIIb期症例で患者は手術療法を希望している.こんな時どうする―子宮頸癌IIIb期の治療方針について―】
婦人科悪性腫瘍1
2)化学放射線療法(chemoradiation)が第一選択です


宮城 悦子
横浜市立大学産婦人科


 子宮頸部扁平上皮癌に対しての化学放射線療法,いわゆるconcurrent chemoradiation(CCR)は,欧米では標準的治療として認知されている治療法である.現在本邦では,薬剤の選択・投与量・投与間隔について確立したプロトコールはないものの,施設ごとに様々な工夫がなされ,報告症例数も増えつつある.今回のシンポジウムでは,われわれの施設で子宮頸部扁平上皮癌IIIb期患者の加療を行なう際の病状説明と,CCR施行の実際について報告する.
【病状と治療の説明】(1)子宮頸部扁平上皮癌は放射線感受性が高い癌で,進行癌での標準的放射線治療と手術療法は,ほぼ同等の治療成績である.しかし,広汎子宮全摘術を行なった後に,リンパ節転移や摘出断端陽性のために後療法として放射線照射を追加した場合,合併症の発生頻度が最も高い.(2)IIIb期という状況ではただちに子宮摘出手術をしても不完全摘出となり後療法が不可欠となる可能性が極めて高い.また抗癌剤で腫瘍を縮小させてから手術を行なっても,縮小効果が不充分な場合には,後療法として放射線治療を行なう可能性が高い.したがってわれわれの施設では,IIIb期扁平上皮癌の第一選択は放射線治療としている.(3)欧米では,放射線の感受性を高めるシスプラチン併用による放射線化学療法の導入により進行頸癌の予後改善が報告されているが,まだ日本では一般的な治療法ではない.しかし,これまでにわれわれは主として再発例にシスプラチン併用放射線治療を積極的に行い,重篤な副作用例はない.
【化学放射線療法の実際と成績】上記の内容説明を75歳未満のII期およびIII期扁平上皮癌で全身性疾患の合併のない患者に行なった結果,17例中12例(70.6%)がシスプラチン併用を希望し,CCRを施行した.方法は,外照射50Gy施行中に,シスプラチン25〜30mg/m2/週で4〜5回の投与を目標として化学療法を併用した.治療終了時に,臨床的CRが11例,PRが1例と短期の抗腫瘍効果は良好である.当院のCCRプロトコールでの副作用は,放射線単独治療例に比して,血液毒性・消化器毒性の発現頻度が高かったが,耐容し得るレベルであり,長期予後改善を期待しつつ症例を蓄積している.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 140-141, 2005


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