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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍3
コントロール不良の癌性疼痛に対し塩酸リドカインが奏功した1例


原 信, 和田 久恵, 小林 友季子, 中村 友紀, 沼野 由記, 谷口 千津子, 小澤 英親, 大井 豪一, 小林 浩, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科


 癌性疼痛のコントロールにあたっては,最終的には麻薬製剤(モルヒネ)が選択される.しかし,疼痛の原因によってはコントロールが困難な例もみられ,対応に苦慮することがある.今回我々は麻薬製剤では疼痛の緩和が得られない神経因性疼痛に対し,塩酸リドカインを鎮痛補助薬として用い著効した症例を経験したので報告する.
症例は2経妊2経産,60歳.膣癌4期症例で他院での前方骨盤内除臓術後,骨盤内再発を認め,転居に伴い当院に紹介受診された.当院では放射線治療および化学療法を施行したがPDのため中止し,外来での疼痛管理に変更した.モルヒネとフェンタニルを使用したがコントロール不良であった.その後閉塞性イレウスをきたし入院,疼痛のため身動きできない状態であった.モルヒネを持続静注とし徐々に増量したが疼痛は治まらず,傾眠傾向や幻覚などが出現した.痛みの部位・性状より神経因性疼痛と判断,インフォームド・コンセントの後,この種の疼痛に対し効果が報告されている塩酸リドカインを開始した.効果は劇的であり,疼痛はほとんど消失し,歩行可能となった.塩酸リドカインは有効血中濃度となるよう調整し,フェンタニルは減量できた.副作用のみられるモルヒネを減量するため,イフェンプロジルを開始した.在宅療養の希望があったため塩酸リドカインとモルヒネは持続皮下注とし,流動食摂取可能となり退院.退院後は他院ホスピス科による在宅ホスピス管理となった.
麻薬が効きにくい症例に対し,塩酸リドカインは有効な鎮痛補助薬となると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 185-185, 2005


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