関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍4
妊娠34週に肺および肝転移を診断した胎児共存奇胎の1例


島 崇, 奥田 靖彦, 小笠原 英理子, 小室 真祐子, 須波 玲, 笠井 剛, 端 晶彦, 平田 修司, 星 和彦
山梨大学産婦人科


 胎児共存奇胎は子宮内に正常胎児と全奇胎が同時に存在する10,000から100,000妊娠に1例程度に見られる稀な病態である.健児が得られる可能性がある一方で,妊娠高血圧症候群などを発症して妊娠継続不可能となる症例も多い.また,続発症の発生率も約50%と高いことから,管理法は未だ確立されていないのが現状である.今回我々は,妊娠中に肺および肝転移を来した胎児共存奇胎の1例を経験したので報告する.症例は31才2経妊2経産,妊娠15週の超音波所見より胎児共存奇胎が疑われたが,胎児染色体は正常であり,本人家族と協議の上,妊娠継続とした.診断時の血中hCG値は447000mIU/mlであったが徐々に低下し,超音波所見上奇胎成分も徐々に縮小し児の発育は順調であった.妊娠32週より切迫早産の診断にて入院管理となったが,その後原因不明のCRPの上昇と発熱を認め,胸部レントゲン検査で肺転移が診断された.早期妊娠終了,化学療法開始の方針とし,妊娠34週1日,腹式深部帝王切開術を施行した.児は2136gの男児で外表奇形はなかった.手術時,侵入奇胎の所見はなく,奇胎部分は正常胎盤の横に径10cm大の脆弱な組織として認められた.術後のCTで肺と肝臓に多発転移を認め,術後5日目よりMEA療法を開始した.以降,約3週間毎にMEA療法を施行し6クール以降hCG値もcut off値未満に低下し,画像検査上腫瘍は縮小しており,8クールで終了とした.現在外来で経過観察中であるが再発兆候は認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 188-188, 2005


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会