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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩7
産科医は児童虐待防止が可能か?――新生児死亡例からの反省――


依藤 崇志, 臼井 真由美, 松村 英祥, 岩田 睦, 村山 敬彦, 斉藤 正博, 関 博之, 馬場 一憲, 竹田 省
埼玉医科大学総合周産期母子医療センター産婦人科


 近年,日本においてもドメスティックバイオレンス(DV)および児童虐待に関する関心が高まりつつある.しかしその予防及び早期発見の糸口はまだ見つかっておらず,対応はさらに困難な状態にある.DVと未婚の妊婦健診未受診という特殊な環境を有した妊婦を通して,新生児に重篤な影響を及ぼしたと2症例を経験したので報告する.(症例1)22歳0経妊.未婚.妊婦健診未受診.陣痛発来し,当科受診.鉗子分娩.産褥4日目退院.産褥30日目,自宅で栄養失調のため水頭症を発症した児を発見され搬送される.児童虐待のため,刑事事件となる.(症例2)30歳1回経産.妊娠18週1日,当院初診.妊娠35週3日,夫からDVを受けているとの訴えあり.妊娠39週5日,2822gの男児を自然分娩.分娩前,女医希望のため,夫は男性医師の立ち会いに大変腹を立てる.分娩後本人・両親と面接を行い,DVの事実を確認.臨床心理士・ケースワーカー,精神科の受診,保健所・警察・婦人相談センターへ通報.精神科より抑うつ状態との診断.産褥6日目,実家へ退院.産褥11日目,自宅へ帰る.産褥12日目,産科外来受診.産褥18日目,警察から電話で新生児死亡の報告を受ける.(結語)妊婦健診未受診の褥婦に対し,育児に関わる実際的及び経済的な側面を加味した指導が必要であり,早期に保健所などに依頼し児の状態を確認する必要がある.また,DVを受けている母親は抑うつ状態を呈していること,家庭での児の安全性が確保されないことから,保健所や児童相談所,リエゾン精神科医学や臨床心理士,ケースワーカーなどの協力を得て診療にあたるのが望ましい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 203-203, 2005


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