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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
子宮体癌2
乳癌術後のタモキシフェン投与後に発見された子宮体癌症例の検討


村上 功1), 鈴木 淳1), 進 伸幸1), 平尾 健1), 阪埜 浩司1), 鈴木 直1), 青木 大輔1), 吉村 泰典1), 野澤 志朗1), 池田 正2)
慶應大学産婦人科1), 慶應大学外科2)


 【目的】乳癌患者の治療薬として用いられるタモキシフェン(TAM)やラロキシフェンは乳癌の無再発率や生存率を向上させる反面,子宮体癌の発生を有意に増加させる.Fisherらは乳癌術後にTAM投与群は未投与群に比べ体癌発症頻度が7.5倍増加すると報告している.今回我々は乳癌術後のTAM投与による体癌の発症頻度および症例の臨床的特徴を評価することを目的とした.【方法】1990年以降,当院外科で乳癌術後にTAMを投与し,その後当院婦人科にて体部細胞診や組織診を施行した患者264人の中から発見された体癌および異型内膜増殖症の臨床的特徴を検討した.【成績】TAMの投与を受けた264例中4例(1.5%)に体癌,5例(1.9%)に異型内膜増殖症が発見された.乳癌手術時の平均年齢は体癌症例で51.6才,異型内膜増殖症症例で42.6才であった.体癌症例はTAM投与開始2年以内に発見されており,異型内膜増殖症の5例中3例がTAM投与開始後2年以内に,他の2例は3年目に発見された.体癌症例の組織型は全例がG1またはG2の類内膜腺癌であり,臨床進行期はIa期が2例,Ib期が1例,IIIc期が1例であった.体癌術後の観察期間は1年2ヶ月から8年であるが現在全員無病にて生存している.【考察】乳癌術後のTAM投与による体癌発症は約0.16%の頻度と報告されている.今回の検討の対象患者の264人は有症状にて体部細胞診・組織診が施行された頻度が高く,一概には比較できないものの発症頻度は約10倍高かった.TAM投与を受けている乳癌患者では子宮体癌の発生に留意すべきである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 213-213, 2005


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