関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
胎児異常2
周産期管理が困難であった原発性胎児胸水の一例


松本 直, 田中 守, 服部 純尚, 峰岸 一宏, 石本 人士, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶應義塾大学産婦人科


 今回我々は周産期管理が困難であった原発性胎児胸水の一例を経験したので報告する.(症例)患者は36歳,4経妊2経産.妊娠22週時の胎児超音波スクリーニング検査において左側の胸水を指摘され,当院紹介となった.当院にて施行した胎児超音波検査では,左側の胸水を認めたが合併奇形は認められず,胎児発育も順調であった.胎児胸水精査目的で入院管理とし,染色体検査目的にて羊水検査を施行したところ,正常核型であった.胸水は次第に増加傾向を呈したため,妊娠25週時胎児胸腔穿刺を施行し,リンパ球を多数認める胸水を吸引したが,翌日には再貯留が認められた.肺発育精査目的にて胎児MRI検査を施行したところ,重度の肺低形成と診断された.妊娠28週時,患者の同意を得て,胸腔―羊水腔間シャント留置を施行した.シャント留置直後は胸水の減少を認めたが,翌日以降胸水量に変化はなく,胸腔内シャント留置部周囲に低輝度領域を認め,血腫の形成及びシャント不全が疑われた.妊娠30週2日,破水を生じ,子宮収縮の増強並びに母体の発熱,炎症反応の上昇も認められたため,前々期破水ならびに絨毛膜羊膜炎疑いにて緊急帝王切開術を施行した.児は出生後直ちに小児科医により胸腔ドレーンが挿入されたが,同日呼吸障害にて新生児死亡に至った.(考察)胎児胸水の周産期管理における問題点は縦隔の偏位による胎児水腫の発症ならびに出生後の肺低形成が挙げられる.胸腔―羊水腔間シャントの留置により良好な周産期予後が得られることもあるが,本症例のように胸腔内に出血を認め,シャント不全に至る症例もあり,注意が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 236-236, 2005


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会