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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍5
悪性疾患との鑑別を要したMeigs症候群の一例


中村 弘治, 森田 豊, 牛嶋 順子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


 我々は,CA125が異常高値を示し,大量の胸水,腹水を伴ったため悪性卵巣腫瘍を疑ったが,腫瘍の摘出によって胸腹水の貯留が改善した卵巣莢膜線維腫によるMeigs症候群の一例を経験したので報告する.
症例は57歳女性.1経妊,1経産.53歳にて閉経.受診の2年前より出現した腹部膨満を主訴に当科を受診した.超音波断層法,CT,MRIにて,骨盤腔に子宮由来か卵巣由来かの鑑別が困難な13cm大の充実性腫瘍を認め,著明な腹水・両側胸水を認めた.臥位時の咳嗽を認めた.リンパ節腫大を示唆する所見はなかった.血中CA125は,1710U/mlと著明に上昇していたが,SCC,CA19-9,CEAは正常範囲であった.胸水・腹水穿刺細胞診を繰り返し行ったが,いずれもclass IIであった.喀痰細胞診・培養でも,悪性細胞や抗酸菌が検出されなかった.心・肝・腎機能に異常を認めなかった.入院から約2週間で胸水総量1300ml,腹水総量10000mlを穿刺排液させた.良悪性いずれの可能性も考慮し,本人および家族に十分に説明した上,胸水を十分に穿刺排液させた後,開腹術を施行した.左卵巣に13cm大の充実性腫瘍を認めたが,他に異常所見はなく,術中迅速組織診にて莢膜線維腫の診断を得たため,両側付属器切除術を行い手術を終了した.術後経過は良好で胸水,腹水は速やかに消失し術後10日で退院となった.退院2ヵ月後には血中CA125が15.8U/mlと正常範囲内となった.以後も,胸腹水の再貯留はなく,CA125の上昇もみられていない.本症は,卵巣莢膜線維腫によるMeigs症候群と考えられ,文献的考察を加えて報告したい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 245-245, 2005


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