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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
胎児異常(4)
出生前に診断された右側大動脈弓を伴うファロー四徴症の1例


樋口 隆幸, 峰岸 一宏, 服部 純尚, 松本 直, 石本 人士, 田中 守, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学産婦人科


 右側大動脈弓は大動脈弓が正常と逆に右側へ弧を描くまれな先天性大血管系疾患であり,他の心奇形を合併することが多い.今回我々は,胎児超音波検査により右側大動脈弓を伴うファロー四徴症と診断した1例を経験したので報告する.症例は30歳女性.妊娠20週の胎児超音波スクリーニング検査において子宮内胎児発育遅延および心軸の左方偏位が認められたため,胎児心奇形の存在を疑って精査を施行し右側大動脈弓を確認した.大動脈弓から頚部には3本の分枝血管が確認され,右側大動脈弓の形態としては鏡像的分枝型などが予想された.さらに軽度の大動脈右室騎乗と肺動脈狭窄が認められ,ファロー四徴症と診断した.その他の異常所見としては,腹部肝下面に径7 mmの単房性腫瘤が認められた.妊娠39週6日,自然陣痛が発来し,2376 gの男児を経腟分娩した.出生後,心臓超音波検査によりファロー四徴症および右側大動脈弓,腹部腫瘤はMRCPにより総胆管嚢腫と診断された.右側大動脈弓は分枝血管の形態によっては血管輪を形成して気管・食道の圧迫症状の原因となり,左鎖骨下動脈分離型では鎖骨下動脈盗血症候群をきたすこともある.また,右側大動脈弓の周産期予後は合併する心奇形の重症度によって異なるため,胎児超音波検査で右側大動脈弓が認められた際には,他の心奇形の検索に努める必要があると考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 317-317, 2005


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