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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
子宮体癌(2)
子宮癌肉腫の再発と術前診断し,病理検査で否定された一例


窪田 文香, 橘 理絵, 武井 真大, 高木 靖
諏訪赤十字病院産婦人科


 悪性腫瘍の治療後の管理において,近年のPET/CT検査の普及により,症例によっては早期の再発診断が可能となった.しかし,一方では生理的な集積や炎症組織にも集積する擬陽性が知られており,再発診断には慎重な評価を要する.今回,臨床経過や画像所見から,子宮癌肉腫の骨盤内再発を強く疑い,再発腫瘍摘出術を施行したが,病理検査で悪性所見を認めなかった症例を経験した.症例は53歳,子宮癌肉腫(3期)で,汎性腹膜炎症状も呈しており,単純子宮全摘術及び両側付属器切除術を施行した.術前のCTで,既に骨盤内・傍大動脈リンパ節の腫大を認めていたが,全身状態が悪く,リンパ節郭清術は施行しなかった.術後化学療法(paclitaxel/carboplatin)を約6ヶ月間施行した後,CTでリンパ節腫大は消失し,PETでも陰性であった.しかし,初発から約1年7ヶ月経過した時点でのCTで,両側腸骨動脈部と直腸左側に腫瘤影を認め,PETでも前回と異なり陽性所見となったため,再発と診断した.ところが,再発腫瘍切除術(骨盤リンパ節郭清術)を施行したところ,病理診断は膿瘍を伴う肉芽組織のみで,悪性所見を認めなかった.念のため,術後にCTを施行し,術前の腫瘤が摘出されていることを確認した.つまり,本例はPET陰性であった部位が,1年余後に炎症により陽転した極めて稀な症例と考えられた.一般に多発性の再発を疑う場合,再手術ができず,病理診断なく化学療法や放射線療法を選択することも多い.しかし,万一の不必要な再発治療を避けるために,可能な限り病理組織検査で確認する必要があることを実感した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 317-317, 2007


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