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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍・その他(2)
PIDとして加療中に多発性リンパ節腫大を認め,悪性リンパ腫と診断した1例


吉井 明日香, 藤原 礼, 小泉 仁嗣, 神保 正利, 石崎 聡之, 坂井 昌人
東京女子医科大学八千代医療センター母性胎児科婦人科


 骨盤内炎症性疾患(以下PID)は日常診療で比較的よく遭遇する疾患だが,下腹部痛,発熱などの症状は特異的なものではなく,他疾患との鑑別診断には苦慮することも多い.今回我々はPIDの診断で加療中に多発性リンパ節腫大を認め,悪性リンパ腫と診断された1例を経験したので報告する.症例は28歳,2回経妊1回経産1回自然流産,2006年10月頃より下腹部痛を繰り返しており,2007年4月頃から発熱も認めていた.5月29日下腹部痛が増強し前医受診,PIDの診断で入院加療を行っていた.状態の改善がないため,6月1日当院紹介初診となった.初診時体温39.1℃,心拍113/min,血圧87/51mmHg,内診にて左付属器付近にゴルフボール大の腫瘤を触知し,圧痛も認めた.またその部位に一致して超音波検査で径38mmの不整な病変を認めた.WBC 9130/μL,CRP 10.67mg/dLと上昇,PIDの診断でFMOX 2g/day,MINO 200mg/day点滴静注行った.加療により症状,状態は改善したが,左付属器付近の病変はリンパ節腫大の可能性もあったため,MRI,CT検査を施行した.画像検査で腹腔内〜後腹膜腔,左腋窩,縦隔リンパ節の多発性かつ高度な腫大を認めた.S-IL2R 2240U/mlと上昇しており,6月8日左鼠径部リンパ節生検を施行した.病理組織診断:Eosinophic angioproliferation in partially preserved lymphnode.Suggestive for Hodgkin’s disease.CD15(+),CD30(+).下腹部痛,発熱などの症状が全身疾患の徴候として表れることもあり,常に他疾患も念頭に置きながら診療にあたることが重要と思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 323-323, 2007


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