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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
奨励賞候補演題I
胎児軽度脳室拡大の検討


高橋 宏典, 林  聡, 加藤 有美, 筒井 淳奈, 左合 治彦, 北川 道弘
国立成育医療センター周産期診療部産婦人科


 【緒言】胎児脳スクリーニングとして側脳室径を測定することが広く用いられている.側脳室径は週数を問わず10mm未満が正常範囲といわれており,10-15mmの軽度脳室拡大は境界域とされる.軽度脳室拡大と判定された場合,患者への説明が難しく,その後の管理方針について一定の見解がないのが現状である.【方法】2002年4月から2007年8月までの間に当センター胎児診療科に受診し,出生後の経過が追跡できた軽度脳室拡大21症例を対象とした.初診時の超音波検査で両側または片側側脳室後角10-15mmをもって軽度脳室拡大とした.軽度脳室拡大症例の分娩・出生後の予後を追跡した.予後判定は当センター脳神経外科および総合診療部におけるカルテ記載を参考にした.【結果】21症例中,合併奇形や染色体異常をともなう症例が13例(61.9%)であった.合併奇形は脊髄髄膜瘤など神経管分化異常に伴うものが最も多かった.また染色体異常を3例(14.3%)に認めた.合併奇形や染色体異常を伴わない脳室拡大(isolated ventriculomegaly)は8例(36.4%)であった.出生後フォローアップは平均34.4±18.7ヶ月行った.合併奇形や染色体異常を伴う症例では全例(100%)になんらかの発達異常を認めた.isolated ventriculomegaly7例中6例(85.7%)は正常発達を示したが,1例で軽度発達障害を認めた.【結語】胎児に軽度脳室拡大を認めた場合は超音波検査やMRIによる他の合併奇形の有無と羊水検査による染色体異常の有無についての精査が必要であると考えられた.isolated mild ventriculomegalyでは大部分は予後良好であるが,発達障害を呈す場合もあり,これらに留意した説明と出生後のフォローアップが必要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 123-123, 2008


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