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第110回学術集会(平成17年10月15日(土),16(日))

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
診断に苦慮した感染性心内膜炎合併妊娠の一例


杉山 真理子, 阿部 弥生, 永井 富裕子, 宮国 泰香, 國井 優衣子, 中村 貴則, 田口 雄史, 田嶋 敦, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院産婦人科


 感染性心内膜炎は,菌血症を契機として,弁膜や心内膜に疣贅を形成する全身性敗血症性疾患である.基礎疾患に弁膜疾患や先天性心疾患などの異常血流が存在することが多い.今回我々は妊娠36週に発熱と精神神経症状から発症し,診断に苦慮した感染性心内膜炎合併妊娠の一例を経験したので報告する.
症例は,36歳,2経妊,1経産.歯科治療の既往はなく,家族歴にも特記事項はなかった.妊娠34週より38度の発熱を認めるも,本人が入院加療は拒否したため外来にて経過観察していた.その後も39度を越える発熱が持続し,妊娠36週に,発熱時の言動不穏と一時的な記憶障害が認められたために緊急入院となった.入院後に施行した頭部MRI検査にて,頭蓋内に多発性の占在性病変を認めた.本人の強い希望により妊娠37週2日に帝王切開術を施行した.児は,2316 gの男児,アプガールスコア9点で,出生後特に問題はなかった.髄液検査や全身の検索を行うも髄膜炎や腫瘍性病変は認められなかった.抗菌薬投与にて一旦は解熱傾向にあったが,術後8日目より再び39度を越える発熱を認めた.子宮内から細菌は分離されなかったが,血液培養を行ったところ口腔内の常在菌であるHaemophilus aphrophilusが検出され,また心雑音を聴取したために心臓超音波検査を施行し,感染性心内膜炎の診断を得た.現在,内科に転科加療中であるが,今後僧帽弁置換術予定である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(3) 334-334, 2005


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