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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
子宮腺筋症により子宮破裂した一例


和田 康菜, 岩田 正範, 吉岡 範人, 大原 樹, 奥田 順子, 佐藤 聡二郎, 鈴木 直, 小林 陽一, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


 子宮腺筋症は婦人科診療上,よく遭遇する疾患のひとつである.今回我々は,子宮腺筋症により子宮破裂し腹腔内大量出血を起こした一例を経験したので報告をする.症例は48歳,0経妊0経産.約10年前より慢性関節リウマチのためステロイド内服中であった.半年前から不正出血はあったものの放置していた.2日前から性器出血が始まり,下腹部痛増強のため,救急車にて来院した.画像上,軽度腹腔内出血,子宮腫大を認めた為緊急入院となった.その後腹腔内出血が増強し貧血の進行を認め,緊急試験開腹を行った.開腹所見は,約3000mlの腹腔内出血を認め,子宮は双手拳大に腫大し,子宮体後面の卵管付近に約1.5cmの挫滅創を認め,その部位より出血を認めた.右卵巣は4cmに腫大していたが出血は認めなかった.膣上部切断術および両側付属器切除術を施行した.子宮内腔と子宮破裂部との連続は認められなかった.術後は経過良く,術後13日目に退院となった.組織学的には子宮筋層内に著しい腺筋症を認めその周囲の脈管内には多数のフィブリンと赤血球が存在していた.一部の血管内には陳旧性の血栓と思われる所見が認められた.今回我々は子宮腺筋症により子宮破裂した一例を経験したので若干の文献による考察を加えて発表する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 132-132, 2006


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