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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
子宮頸癌1
急速な経過をたどった妊娠合併子宮頸部浸潤癌の1例


川端 伊久乃, 林 昌子, 山田 隆, 三浦 敦, 品川 寿弥, 土居 大祐, 横田 明重, 中井 章人, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科


 今回我々は,急速な経過をたどった妊娠合併子宮頸部浸潤癌の一例を経験したので報告する.症例は27歳0回経妊0回経産婦で,既往歴・家族歴に特記すべき事は無い.平成16年12月18日を最終月経として妊娠成立.妊娠5週5日前医初診.このとき施行した子宮頸部細胞診はclassIIbであった.妊娠18週5日,急激に増悪した腰痛・肛門部痛のため,前医より紹介.内診所見では,腟分泌物は淡血性中等量,子宮頸部から前腟壁・左腟壁にかけて硬い,易出血性の腫瘤を認めた.左傍結合織は骨盤壁まで硬結を触知,直腸診でも表面平滑で5cm大の腫瘤を認めた.子宮頸部細胞診はclassIV,子宮頸部組織診にて扁平上皮癌と腺癌の混合型腫瘍と診断.また全身精査の結果左水腎症を認め,妊娠合併子宮頸癌stageIIIbと診断した.胎児発育は週数相当であった.妊娠継続につき,本人・家族と話し合った結果,妊娠週数が早期であること,癌性疼痛のコントロールがつかなかったことから,terminationを選択.妊娠21週5日腹式帝王切開術を施行した.その後直ちに,子宮頚癌の治療としてconcurrent chemoradiation(CCR)を,CCRに引き続きTJ療法を行った.しかし治療に抵抗して病状は急速に進行し,発症から10ヶ月で永眠された.妊娠合併子宮頚癌は,未だその管理・治療方針について統一された見解がない.妊娠という特殊な状況下であること,若年者の罹患が多いことなどから,その病状の進行も急速である.様々な状況を考慮した上で,個々の症例に応じた慎重な対応が必要であることを改めて痛感した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 157-157, 2006


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