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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
子宮体癌2
心タンポナーデで再発した子宮体部明細胞癌の一例


須賀 新, 荻島 大貴, 宮国 泰香, 山田 由季, 卜部 麻子, 加塚 有紀, 金田 容秀, 宮井 健太郎, 寺尾 泰久, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科


 (諸言)心タンポナーデとは,何らかの原因による心嚢液貯留により,心嚢腔内圧が著明に上昇した結果,特に右心系の拡張期充満が著明に制限された状態である.原因としては心膜炎,外傷,心臓手術後,解離性大動脈瘤,心筋梗塞,膠原病,癌性心膜炎などがあげられる.今回,子宮体癌術後2年を経て,突然の胸痛発作を主訴に,心タンポナーデにより再発が判明した一例を経験したので報告する.(症例)62歳,3経妊3経産,子宮体癌の診断にて平成12年10月TAH,BSO,PL,PAN,OM施行し,子宮体部原発の明細胞腺癌stage3c(pT2bN1M0)と診断した.術後TJ療法5コース施行し,寛解状態となり外来通院していた.平成14年8月頃より,労作時に息切れ,動悸が出現し,同9月外来受診,胸部単純X-P上,両側の胸水を認め,緊急入院した.翌日夕方より呼吸困難,頻脈,心電図上低電位を認め,心エコーにて心タンポナーデと診断し,直ちに心嚢液ドレナージ開始,血行動態安定し,3日後ドレーン抜去した.心嚢液細胞診はclass5,胸水に対しては,トロッカーを挿入し持続吸引し,6日後ミノマイシンを胸腔内投与し胸膜癒着をさせた.胸水細胞診もclass5であった.画像上,胸水・腹水を認める以外,他部位への再発は認めなかった.(考察)子宮体癌の再発形式としては,局所再発(骨盤内,腹膜播腫,断端部など)が約50%,遠隔転移(肝,肺,骨など)が約30%,局所+遠隔同時再発が約20%といわれており,本症例のように心タンポナーデで再発が発見される症例は珍しい.心タンポナーデは,救急救命処置を必要とする病態であるため,再発様式の一つとして念頭においておく必要があると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 164-164, 2006


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