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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩11
帝王切開後,急激な出血傾向によりDICを発症し,hemolytic uremic syndrome(HUS)が疑われた品胎妊娠の一例


菅野 光, 中島 義之, 宮川 康司, 正岡 直樹, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科


 hemolytic uremic syndrome(HUS)はHELLP症候群,急性妊娠脂肪肝,血栓性血小板減少性紫斑病などと鑑別が難しい.今回我々は品胎妊娠の帝王切開術後に急激な出血傾向にて発症し,集学的治療にて救命し得たHUSが疑われた症例を経験したので報告する.
 症例は,33歳0回経妊0回経産.IVF-ETにて品胎妊娠成立後,当院紹介受診し,妊娠15週McDonald子宮頚管縫縮術施行後,妊娠24週より切迫早産加療目的にて入院となった.入院後,塩酸リトドリン持続点滴施行し,胎児発育も順調であった.妊娠33週4日選択的帝王切開術施行し,1951g,1910g,1592gの男児を分娩した.帝王切開術後4時間目より,突然口腔内出血および帝王切開創部出血,血尿が出現し,直ちに血液検査を施行したところ,血小板73000/μl,AT-III 35%,D-D dimer 700μg/mlとDICの徴候が確認されたため,抗DIC療法(メシル酸ガベキサート,AT-III製剤,新鮮凍結血漿)を開始した.しかし2時間後,出血性ショックおよび著明な高カリウム血症(8.4mEq/l),急性腎不全が出現したため,当院救命救急センター転科となった.気管内挿管し,ハプトグロビンおよびダナパロイドナトリウムを開始し,抗DIC療法,血液透析などの集学的治療を行った.術後2日目になっても子宮出血が持続し,創部皮下血腫も増大したため,単純子宮全摘術およびドレナージ術を施行した.子宮全摘術後,次第に全身状態改善し,転科1週間目に気管内挿管抜管し,以後経過順調にて退院となった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 180-180, 2006


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