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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩15
抗D抗体陽性妊娠の一例―Rh不適合妊娠の妊娠管理について―


太田 篤之, 伊藤 茂, 田中 利隆, 米本 寿志, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科


 Rh陰性の血液型不適合妊娠の分娩後のRhIg製剤投与が普及し,最近では妊娠管理に対するRh陰性妊婦は著明に減少している.しかし,適切な予防法を行ったにもかかわらず抗D抗体陽性になる症例が稀に存在する.一方で抗D抗体陽性妊婦に対する治療方針は施設ごとに一定していない.当院では定期的な抗D抗体価と中大脳動脈最高血流速度(MCA-PSV)の計測を指標とし分娩時期と胎児貧血の検査治療を行っている.今回2経妊1経産の妊婦で前回の妊娠にRhIg製剤を使用したにもかかわらず,今回の妊娠で抗D抗体価が64倍であった妊婦に対し,抗D抗体価とMCA-PSVによる妊娠管理を行い,無事生児を得た症例を経験したので報告する.患者は34歳,G(2)P(1),既往歴なし.平成15年に当院にて妊娠40週時,経腟分娩で第1子を出産.出産後,48時間以内にRhIg製剤を使用した.その後,輸血歴手術歴はない.平成17年に第2児妊娠のため当院受診.妊娠9週の間接クームスで陽性を認めたため抗D抗体価の定量を行ったところ64倍であった.その後の抗D抗体価は32倍で変化なかった.妊娠34週に羊水過少を認めたため入院管理となったが,MCA-PSVでは胎児貧血を示唆する所見はなかった.妊娠39週MCA-PSVは基準範囲内であったが,抗D抗体価が64倍と増加したため妊娠39週4日に分娩誘発を行い経腟分娩にて3334g,A(+)の女児を出産した.出生後3日目に軽度の貧血と血清ビリルビン値の上昇を認めるも交換輸血は行わず現在経過良好である.抗D抗体陽性妊婦に対し抗D抗体価定量とMCA-PSVによる管理が有用であることが示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 188-188, 2006


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