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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
不妊
ART症例におけるチョコレート嚢胞の取り扱い


花岡 嘉奈子1), 菅 睦雄1), 田宮 親1), 安部 裕司2), 渋井 幸裕2), 片桐 由起子2), 祖母井 英2), 塩川 素子2), 高梨 安弘2), 久保 春海2), 永尾 光一3), 三浦 一陽3)
キネマアートクリニック婦人科1), 東邦大学医療センター大森病院産科婦人科学第1教室2), 東邦大学医療センター大森病院泌尿器科学教室3)


 【目的】2004年1月より2005年11月までの期間において,インフォームドコンセントを得て実施したART症例1,015例3,341周期のうちチョコレート嚢胞を開腹下およびラパロ下にて摘出術を施行した症例とチョコレート嚢胞を有する症例について後方視的に比較検討した.【対象と方法】対象となったチョコレート嚢胞摘出群(以下摘出群)17例85周期,37.6±4.1歳とチョコレート嚢胞群(嚢胞群)25例102周期の平均年齢は37.6±3.8歳に対し,hMG-アンタゴニスト周期,MOSのCC周期の採卵数,移植率,妊娠率などの臨床的評価を行なった.【結果】hMG-アンタゴニスト周期においては摘出群20周期hMG投与日数7.1±3.0日,嚢胞群21周期8.5±2.5日,E2ピーク値830.2±657.9pg/ml,731.2±448.4pg/ml,平均採卵数2.8±2.9個,3.9±3.1個,移植率45.0%(9/20),42.9%(9/21),妊娠率56.5%(5/9),22.2%(2/9)と両群間において有意差は認めなかった.CC周期では摘出群32周期,採卵日までの日数,12.6±1.4日,嚢胞群52周期,12.6±2.2日,E2ピーク値704.1±308.2pg/ml,1,019.5±819.8pg/ml,平均採卵数2.1±1.4個,2.2±1.8個,移植率40.6%(13/32),46.2%(24/52),妊娠率15.4%(2/13),8.3%(2/24)であり,E2ピーク値においてのみ嚢胞群が有意(p<0.05)に高値を示したが,その他において有意差は認めなかった.【結語】ART症例においてチョコ嚢胞摘出群と非摘出群の間に有意差は認められなかった.卵巣刺激法の違いにおいても同様であったが,非摘出群においてhMG-アンタゴ周期に妊娠率が高かった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 190-190, 2006


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