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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他2
アンドロゲン受容体の新たな塩基欠損を検出し得たseminoma合併精巣性女性化症候群の1例


中村 弘治, 難波 直子, 井村 昌義, 竹内 沢子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 石田 友彦, 丸茂 元三, 森田 豊, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


 アンドロゲン受容体遺伝子は,8つのエクソンから成り,エクソンAはN末端ドメイン,エクソンB,CはDNA結合ドメイン,エクソンDからHはホルモン結合ドメインをコードしている.アンドロゲン受容体遺伝子異常は,点突然変異によるものと遺伝子の欠失などの構造異常によるものと大別され,遺伝子異常が報告された症例のうち,90%以上が前者によるものであるといわれている.今回,我々は,インフォームドコンセントを得て採取したサンプルより,エクソンFにおける1塩基欠損を検出しえた症例を経験した.新たな異常が検出された領域は,エクソンF,コドン 798-799 CAA ATCの部分が,CAATC(すなわち,1塩基の欠損)となっており,これまでに文献的な報告のないアンドロゲン受容体遺伝子の異常であった.本症例は,55歳,既婚の外見上女性で,腟は約7cmの盲端に終わり,子宮,卵巣を触知せず,外性器は女性型,インフォームドコンセントを得て採取した末梢血液のDNA検査にてXYの染色体が検出され,典型的な精巣性女性化症候群の臨床像を呈していた.超音波断層法,CT,MRIにて,骨盤全体を占める径16cmの巨大な腫瘤を認め,開腹術により,左性腺由来のseminomaと診断した.この部分の遺伝子の欠損が,精巣性女性化症候群におけるseminomaの発生にどのようにかかわっているのか,リスクファクターとなりうるかは,今後の症例の蓄積を待ちたい.本症例の解析結果がその一助となれば幸いである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 196-196, 2006


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