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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他3
糖尿病性腎症を合併する,子宮粘膜下筋腫による過多月経に対しUAEが奏功した1例


河合 淳子1), 田中 雅子1), 今井 加納子1), 工藤 一弥1), 笹 秀典2), 古谷 健一1)
防衛医科大学校産婦人科1), 防衛医科大学校病院分娩部2)


 最近,子宮筋腫による過多月経に対する子宮動脈塞栓術(UAE)が普及しつつある.しかし腎機能低下が有る場合の実施には問題点も存在する.今回,子宮粘膜下による重症の貧血と高度糖尿病性腎症を合併した症例に対し透析を併用したUAEを実施し,効果的に止血し得た1例を経験したので報告する.症例:46歳,0経妊0経産.5年前長期間無治療の糖尿病・糖尿病性腎症,貧血を指摘.糖尿病のコントロールは不良でBMI50以上の肥満があり,またGFR10〜18ml/minによりいずれ透析導入が必要と考えられていた.今回,頻回の性器出血と重度の貧血が認められ平成17年2月当科受診.画像所見で40mm大の子宮粘膜下筋腫を指摘される.体型および合併症から手術はリスクが高いと考えられGnRHアゴニスト療法開始.平成18年2月,Hb3.7g/dlと著明な貧血を認め緊急入院となった.経腟超音波にて21×18mmの周囲の血流が豊富な粘膜下筋腫と子宮内の凝血塊を認めた.全身状態を考慮しUAEを行うのが妥当と判断,造影剤による腎不全の危険はあるもののたびたび繰り返す貧血によりさらに腎機能の悪化が見られていたことも考え,本人・家族の同意を得た上で透析ルート確保した後UAE施行.両側子宮動脈を塞栓し直ちに血液透析を開始した.UAE2日目,経腟超音波で筋腫周囲の血流消失を確認.性器出血は著明に減少し,Hbが上昇傾向を示した.一方腎機能に関しては尿量低下を認めクレアチニン8.5mg/dlまで上昇したため再度透析を施行した.その後尿量が増加しクレアチニン3.85mg/dlまで回復したため,11日目に退院,経過観察となった.結語:腎障害を有する場合のUAEの有用性・問題点について文献的考察を加えて論述する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 197-197, 2006


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