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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
胎児異常1
出生前に診断されたMiller-Dieker症候群の1例


樋口 隆幸, 峰岸 一宏, 石本 人士, 田中 守, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学医学部産婦人科


 Miller-Dieker症候群は滑脳症と特徴的な顔貌を伴う症候群であり,常染色体劣性遺伝形式を呈する稀な疾患である.17p13.3におけるlissencephaly-1遺伝子が滑脳症の原因遺伝子と考えられている.今回我々は,胎児超音波検査と羊水検査の所見より,Miller-Dieker症候群と出生前診断した1例を経験したので報告する.症例は39歳女性.妊娠31週5日,子宮内胎児発育遅延および羊水過多の診断で当科に紹介受診となった.胎児超音波検査では,頭部の所見として無脳回とSylvius裂形成不全,側脳室後角の軽度拡大が認められた.羊水過多の原因として胎児の嚥下障害が存在する可能性を考慮して,4D胎児超音波を使用して顔面の形態と動きを精査した結果,小顎症・前額部突出などの顔面形成異常の存在が疑われた.妊娠32週1日,羊水過多による切迫早産症状の緩和のために羊水を除去した.羊水染色体検査では17番染色体短腕末端部に不明瞭な過剰部位が認められた.滑脳症に加えて特徴的な顔貌を有する点と,17番染色体の異常所見からMiller-Dieker症候群が疑われた.妊娠36週4日,前期破水後に自然陣痛が発来し,1738gの女児を経膣分娩した.児の顔貌は出生前診断と同様の所見を有しており,頭部MRI検査では滑脳症が確認された.Miller-Dieker症候群は,滑脳症として認められる中枢神経系の異常と顔面形成異常が原因となって,嚥下障害を来して羊水過多に至る可能性があり,出生前に顔面とその動きをリアルタイムに評価する上で,4D胎児超音波は補助的な手段になり得ると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 202-202, 2006


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