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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩2
一過性大腿骨頭萎縮症合併妊娠の1例


青木 喜美恵1), 大原 樹1), 水原 浩1), 栗林 靖1), 石塚 文平2)
川崎市立多摩病院産婦人科産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科産婦人科2)


 【目的】一過性大腿骨頭萎縮症は,1959年にCurtissとKincaidにより報告された疾患で,中年男性や妊娠女性に発症する原因不明の疾患と言われている.今回我々は,妊娠34週に左大腿部の痛みを契機に発症した一過性大腿骨頭萎縮症合併妊娠を経験したので文献的考察を加え報告する.【症例】35歳,2経妊1経産,既往歴は特に認めなかった.妊娠30週0日当院紹介受診,初診時には大腿部の痛みは認めなかった.妊娠34週0日健診にて来院,左大腿部に疼痛を訴えていた.しかし,歩行することは可能であった.妊娠36週1日左大腿部痛が増強し歩行困難な状況になったため整形外科受診,X線上左大腿骨頭萎縮症が疑われ,安静目的にて即日入院となった.入院以降は,安静を保つことにより左大腿部の痛みは軽減傾向にあった.妊娠37週0日MRI施行し,左大腿骨頭から骨頚部にかけて境界不明瞭で内部不均一なT1W1低信号,T2W1高信号域を認め,骨髄の浮腫性変化が考えられ一過性大腿骨頭萎縮症と診断した.このため,車椅子による完全免荷療法を施行した.分娩方法は左大腿骨頭の負担の軽減および本人の希望により経膣分娩ではなく帝王切開を選択した.妊娠38週0日腹式腹膜内帝王切開術施行,出生体重は3195g,男児を出産した.術後経過は良好であり,術後4日目左大腿部の痛みは認めず,現在経過観察中である.【考察】本疾患は一般的には自然治癒するとされているが,圧潰をきたす可能もあり注意が必要である.妊娠経過中に股関節痛を訴えたときは本疾患を念頭におき,整形外科との綿密な連携を図り,診断及び治療方針を決定することが必要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 270-270, 2006


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