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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩9
帝王切開術後に子宮筋層内感染をきたし,再開腹術を施行した5症例の検討


大橋 まどか1), 原田 竜也1), 栗原 聡美1), 大井 理恵1), 砂倉 麻央1), 宮坂 尚幸1), 尾林 聡1), 久保田 俊郎1), 桑江 千鶴子2)
東京医科歯科大学周産女性診療科1), 都立府中病院産婦人科2)


 【緒言】帝王切開術は,母体および児の状態によっては,必要不可欠な分娩手技であるが,術後に感染を併発しこれが重症化した場合,再開腹術を余儀なくされることがある.今回,帝王切開術後に子宮筋層内感染を起こし,再開腹術を要した5症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.【症例】対象は,平均年齢28.8歳でいずれも0経産の患者5名.既往歴に特記事項なく,帝王切開術の適応はそれぞれ,PIH・CPD・胎児仮死・子宮筋腫合併妊娠・およびてんかん合併妊娠のてんかん発作であった.全症例とも術後に弛張熱が継続し,種々の保存的治療に抵抗性の,子宮筋層内感染症であった.再開腹術を行い,うち4例は筋層内膿瘍部分切除術/感染筋腫核出術を施行し,速やかに改善した.しかし1例は,筋層内膿瘍切除を行うも治療効果がなく,再々開腹術にて子宮全摘術を必要とした.【検討・考察】妊婦健診時または入院時の腟分泌物培養結果と,発熱後〜術中採取の悪露/子宮内容物・膿瘍部培養結果とを比較検討した.両者が一致するものは認めなかったが,3例ではPrevotella属や腸球菌,嫌気性グラム陰性桿菌などが検出され,何らかの子宮内細菌感染が原因していると推測された.また,術前のCRPと,帝王切開術後経過及び再開腹術後の予後を比較検討すると,術前の炎症反応が低値例より高値例で,帝王切開術後の炎症反応がより高値となり,再開腹術後の予後が不良であると考えられた.【結語】帝王切開術後に弛張熱が継続する場合は,子宮筋層内膿瘍の可能性を念頭において診断治療を進め,保存的に軽快しない場合は再開腹術による外科処置も必要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 285-285, 2006


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