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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩12
一絨毛膜二羊膜双胎帝王切開術中の弛緩出血に対しB-Lynch変法を施行し,子宮温存し得た一例


鈴木 理絵, 永田 智子, 丸山 康世, 長瀬 寛美, 石川 浩史, 山中 美智子
神奈川県立こども医療センター産科


 産科臨床では,弛緩出血にしばしば遭遇し,適切かつ迅速な対応が必要とされる.B-Lynch法は,1997年にChristpher B-Lynchにより報告された弛緩出血の外科的治療法である.双胎帝王切開時,圧迫止血法,子宮収縮剤に反応しない弛緩出血に,B-Lynch変法を施行し,子宮温存し得た一例を経験した.症例は1回経妊0回経産,自然妊娠の一絨毛膜二羊膜双胎で,近医より妊娠18週に当院紹介となった.33週より下腿浮腫,高血圧出現し,33週5日から降圧剤の内服を開始したが,高血圧が増悪したため,重症妊娠高血圧の診断で,34週0日帝王切開術施行した.第1子:1514g女児Apg 9/10,第2子:1720g女児Apg8/9にて出生し,2児共にNICUへ収容となった.児および胎盤の娩出後子宮収縮は不良で,用手的圧迫と同時に,子宮収縮剤の全身投与や子宮への局注を行ったが,無効であり輸血を開始した.子宮全摘術を考慮しつつ,B-Lynch変法を試行することとし,子宮横切開縫合部上方で,前壁から後壁に1号吸収糸を通し底部での縫合を数針施行した.子宮収縮傾向出現し,糸に緩みができたため,再度,同手法を繰り返したところ,出血が減少し,子宮を温存し得た.総出血量6976g,総輸血量はMAP20単位,FFP14単位,血小板40単位であった.術後は,DIC,妊娠高血圧腎症に対する加療を行い,術後25日に軽快退院となった.術後3ヶ月のMRIで,子宮の形状は正常であった.本症例では,弛緩出血に対してB-Lynch変法が有効であったが,その他の方法も含め,若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 290-290, 2006


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