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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1
癌性心嚢液貯留により心タンポナーデをきたした卵巣癌の1例


菊池 公孝1), 石黒 葉子1), 塚田 ひとみ1), 信田 政子1), 村上 優1), 杉原 義信3), 篠塚 孝男2), 三上 幹男4)
東海大学大磯病院産婦人科1), 綾瀬厚生病院産婦人科2), クリニック杉原産婦人科3), 東海大学医学部専門診療学系産婦人科4)


 卵巣癌患者において,癌性腹膜炎による腹水貯留や癌性胸膜炎による胸水貯留は高頻度に認められるが,癌性心膜炎の発症は比較的稀である.心タンポナーデは何らかの原因による心嚢液貯留により,二次的に心膜内圧が上昇したために生じ,迅速な処置が必要となる.そこで今回,卵巣癌の術後再発と寛解状態を繰り返し8年の経過中,急に動悸,呼吸困難を訴え心タンポナーデを引き起こした1例を経験したので報告する.(症例)68歳3経妊3経産,卵巣癌の診断にて平成10年2月上旬に腹式拡大子宮全摘術,両側付属器切除術及び骨盤内リンパ節郭清術施行し,卵巣癌stage4期の診断をした.術後化学療法施行し以後寛解状態にて外来通院していたが腫瘍マーカーの上昇を徐々に認め,平成16年6月に右第8肋骨転移認め,放射線治療を施行していた.平成18年3月中旬より食欲低下あり,3月下旬夜間に冷汗,動悸認め同日来院した.来院時血圧低下,呼吸困難を認めたため胸部単純X線検査,心臓超音波検査施行したところ右側胸水貯留及び心嚢液貯留も認め心タンポナーデと診断し緊急入院となり,直ちに心嚢液ドレナージ開始した.血圧上昇し血行動態安定し,3日後ドレーンを抜去した.心嚢液細胞診はclass 5であったため卵巣癌による心膜転移であった.本疾患より稀ではあるが,卵巣癌より心タンポナーデを引き起こす可能性があることを念頭におくことが必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 319-319, 2006


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