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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍3
多発骨髄転移とカテコラミン産生を呈した卵巣未熟奇形腫由来神経芽細胞腫の1例


野中 愛子, 吉田 浩, 佐治 晴哉, 沼崎 令子, 佐藤 美紀子, 杉浦 賢, 宮城 悦子, 平原 史樹
横浜市立大学附属病院産婦人科


 成人神経芽細胞腫は比較的稀な疾患で婦人科領域では卵巣胚細胞性腫瘍として発生する.今回我々は多発性骨髄転移と多量のカテコラミン産生を伴う卵巣未熟奇形腫由来の神経芽細胞腫の一例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は29歳,0経妊0経産.左鎖骨部の疼痛,腫脹を主訴に整形外科を受診し貧血を指摘された.貧血の精査中に骨髄穿刺にて神経内分泌腫瘍の骨髄転移を認め,血中・尿中カテコラミン異常高値から転移性悪性褐色細胞腫が疑われた.CT上,骨盤腔内に10cm大の内部不均一な腫瘤を認め,MIBGシンチグラフィーにて脊椎,肋骨,腸骨,近位四肢骨,骨盤内腫瘤に集積を認めた.画像所見と合わせ多発骨転移を伴う骨盤内異所性悪性褐色細胞腫の診断で腫瘍摘除術施行し,卵巣未熟奇形腫由来神経芽細胞腫(卵巣癌IV期:pT1cN0M1)の診断に至った.術後,PEP(pepleomycin,etoposide,cisplatin)3コース,EP(etoposide,cisplatin)3コース施行後,血中ドーパミン値の低下,肋骨転移巣の縮小が認められ,経過観察していた.初回治療から2年半後,肋骨転移の増悪,頭蓋骨への新たな転移が出現し,頭蓋骨転移に対し,姑息的に放射線治療を施行した.同時期より血中カテコラミンの急激な上昇に加え,貧血の進行,CRP,LDHの上昇,腸骨骨髄穿刺で腫瘍細胞の著明な骨髄内増殖を認め,TJ療法(paclitaxel,carboplatin)を開始した.現在1クール終了後であるが,貧血の改善,各種マーカーの低下を認めており,今後さらにTJ療法を続行し経過を観察する予定である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 324-324, 2006


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