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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
感染症2
妊娠経過中にトキソプラズマ性頸部リンパ節炎が病理学的に診断された2症例


花岡 正智, 崎川 牧子, 塚崎 雄大, 中山 裕敏, 北條 智, 柿木 成子, 中田 真木, 安田 孝, 小島 俊行
三井記念病院産婦人科


 妊娠経過中の頸部リンパ節腫脹に対して,生検がなされ,トキソプラズマ性リンパ節炎と診断された例を2例経験したので報告する.【症例1】34歳初産.2004年4月20日最終月経初日.4月27日頃,左頸部リンパ節腫脹に気づいた.これに対して6月17日生検され,病理診断にてトキソプラズマ性リンパ節炎が疑われた.【症例2】29歳初産.2004年10月2日,左頸部リンパ節腫脹を主訴に某院受診した.その後10月28日を最終月経として妊娠.11月29日摘出手術を受け,病理診断にてトキソプラズマ性リンパ節炎と診断された.両症例の病理組織学的特徴は,(1)リンパ濾胞は過形成,(2)濾胞の中心および辺縁に壊死を伴わない類上皮性肉芽腫,(3)tingible body macrophageであった.診断後はアセチルスピラマイシンを内服開始している.症例1については妊娠前の初感染のリスクを考え,アジスロマイシン・アセチルスピラマイシンの交互投与を行い,慎重に経過観察した.症例2についてもトキソプラズマIgM抗体陽性で,IgG抗体avidityも低値であり,急性感染が疑われ,羊水穿刺や人工妊娠中絶の選択もあったが,トキソプズマ性頸部リンパ節炎と診断された時期を考慮して,先天感染の可能性は低いと判断した.両症例とも出生時,児に異常は認めず,(1)児のトキソプラズマIgG抗体の半減期の測定,(2)頭部CT,(3)眼底検査を施行し,先天感染は現在のところ否定的である.【結語】妊婦のトキソプラズマ初感染が病理組織診断学的によって確定診断され,感染妊娠の時期が特定された貴重な例といえる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 334-334, 2006


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