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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
胎児新生児異常2
Twin-reversed arterial perfusion(TRAP)sequenceに対するラジオ波血流遮断術(RFA)による胎児治療


林 聡1), 左合 治彦1), 湯元 康夫1), 渡場 孝弥1), 塚原 優己2), 久保 隆彦2), 北川 道弘3), 名取 道也4)
国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科1), 国立成育医療センター周産期診療部産科2), 国立成育医療センター周産期診療部部長3), 国立成育医療センター副院長4)


 【目的】Twin-reversed arterial perfusion(TRAP)sequenceは心臓の形成不全または無形成である無心体に健常児から血管吻合を介して逆流性還流する疾患で予後不良である.今回TRAP sequenceに対してラジオ波血流遮断術(RFA)による胎児治療の有効性について検討した.【方法】2002年3月から現在までにTRAP sequence16例を経験し7例にRFAを施行した.RFAは当センターの倫理委員会の承認後,患者夫婦の同意のもと治療を行った.当センターの適応基準は,1)16週以上26週未満,2)健常児から無心体児の臍帯動脈へ逆流性還流が確認できる,3)正常児の心不全を示唆する超音波所見(羊水過多,心拡大など)を認めるとした.RFAは超音波ガイド下にRFA needleを無心体の臍帯付着部付近に穿刺し,30―70Wの出力で血流を遮断した.【成績】RFA施行7例のうち6例は分娩となったが,5例は正期産となり生後の発達も正常である.1例は26週に前期破水で分娩,生後56日目に敗血症のため死亡となった.1例は現在妊娠継続中である.RFA適応外となった9症例の理由は,羊水過多などの心負荷所見を認めなかった(3例),無心体内に血流を認めなかった(3例),初診時に子宮内胎児死亡(1例),母体合併症(1例),妊娠中絶(1例)であった.そのうち8例のうち4例が正期産となったが,3例は16週未満で健常児がIUFDとなった.1例は現在妊娠中で経過観察中である.IUFDとなった3例の無心体/健常児体重比は80%以上と高値であった.【結論】TRAP sequenceに対するRFAは他の治療法と比較し合併症も少なく,有効な治療法と考えられた.またRFAの適応とならなかった症例には予後不良な症例もあり,予後を予測する指標として無心体/健常児の体重比が有用となることが示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 341-341, 2006


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