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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
胎児異常(2)
出生前にwhirlpool sign様の超音波所見を呈した胎便性腹膜炎の一例


中島 紗織, 松下 充, 神農 隆, 石井 桂介, 村越 毅, 成瀬 寛夫, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科


 胎便性腹膜炎症例における胎児超音波所見としては,腹腔内石灰化,胎児腹水,および腸管拡張像が典型的である.今回腸管のねじれたループにより形成される渦巻状の所見(いわゆるwhirlpool sign)を認めたため,小腸軸捻転に起因する胎便性腹膜炎を出生前に疑った一例を経験した.本症例の臨床経過を報告する.
 【症例】27歳,2妊1産.既往歴に特記事項なし.
 妊娠26週0日近医にて胎児腸管の拡張とwhirlpool sign様の超音波像を認めた.他院での精査を経て,胎便性腹膜炎を疑われ,妊娠27週0日当院へ転院となった.入院時経腹超音波では,胎児腹水を認め,また小腸は一塊となって高輝度に描出されたため,胎便性腹膜炎が疑われた.いわゆるwhirlpool signは消失していた.その後は胎児腹水や腸管像には著変なく,妊娠38週4日に既往帝王切開の適応にて,帝王切開術を施行した.児は2270gの男児で,Apgar score8/9(1/5分)でありNICUに入院となった.3生日に開腹手術を施行された.回腸末端より約15cmの部位で回腸が捻転しており,捻転部位より口側で離断型の回腸閉鎖を認めた.また一塊となった癒着小腸に胎便性腹膜炎の所見を認めた.回腸部分切除,回腸端々吻合術を施行し,術後42日目退院となった.
 腸軸捻転の際に画像所見として特徴的なwhirlpool signは,出生前胎児超音波検査でも描出された.このwhirlpool signが先行する胎児腹水の症例では,腸軸捻転を背景に持つ胎便性腹膜炎の可能性を念頭に置く必要があるといえる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 157-157, 2007


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