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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
婦人科疾患その他1
家族内感染により発症した劇症型A郡レンサ球菌感染症の一例


永光 雄造, 鈴木 康伸, 吉原 ちさと, 大淵 紫, 佐川 泰一, 齊藤 俊雄, 林 敏
船橋市立医療センター産婦人科


 【序文】劇症型A郡レンサ球菌感染症(TSLS)は重症かつ致死率の高い感染症である.本報では夫婦間の感染で膣炎が先行し,子宮癌検診を契機に発症したと考えられるTSLS事例について報告する.【症例】患者は既往歴のない53歳女性,2経妊2経産.現病歴として全身の倦怠感,異臭のある黄色帯下と外陰部掻痒感を自覚し近医産婦人科受診,子宮体癌検診が施行された.帰宅後39℃台の発熱,下腹部痛が出現した.その後も高熱が続き,下腹部痛増強にて2日後再受診し骨盤内感染が疑われ,当院救急搬送となった.体温38.2℃,心拍数120/分,血圧90/55mmHg,WBC 22,500/μL,CRP 38.15mg/dL,BUN 38mg/dL,CRE 2.41mg/dL.搬送時帯下のA郡レンサ球菌(GAS)迅速抗原検査が陽性となりTSLSが疑われ,緊急手術にて単純子宮全摘,両側付属器切除及び膿瘍切除が施行された.手術時に採取された後腹膜膿瘍,搬送時に採取された血液及び帯下からGASが検出された.術後ICU入院となったが,その後順調に回復し第16病日に退院となった.患者の夫が20年来咽頭炎の反復感染があり,咽頭培養を行った結果GASが検出された.患者由来の3株と夫由来の1株はemm型別でemm87となり,PFGEで同一遺伝子型を示した.【考察】本症例では搬送時いち早くTSLSを疑い,迅速抗原検査を帯下材料に応用し陽性の結果が得られたことから,早期治療を行い救命し得た.また,感染経路としては夫が感染源で膣炎を発症し,近医で受けた検診処置により上行性に感染が拡大し後腹膜炎,敗血症に至った可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 164-164, 2007


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