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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
常位胎盤早期剥離
前2回の常位胎盤早期剥離既往の妊娠管理―低用量アスピリン療法が有効と考えられた1例―


太田 創, 安達 知子, 竹田 善治, 小倉 さやか, 桧垣 博, 瀧澤 慎, 松原 香弥, 中山 摂子, 中林 正雄
愛育病院産婦人科


 常位胎盤早期剥離(早剥)は,次回妊娠時に反復しやすいことが知られており,前1回で5-15%,前2回で約25%に,前回よりもやや早い週数で発症する可能性が報告されている.今回我々は,前2回早剥既往の妊婦の管理を経験したので,本人の同意を得て,報告する.症例は35歳,3経妊2経産,1回目は36週で早剥,IUFD,緊急帝王切開術(帝切)施行,2回目は5週で自然流産,3回目は29週で早剥,緊急帝切で1140gの児を生産した.早剥時の妊娠は2回共,早剥を来す24時間以前まではPIHの所見なく経過し,その後,頭痛の先行後に急激な血圧上昇(180mmHg/以上),タンパク尿(++)の妊娠高血圧腎症・重症を発症し,早剥に至っている.しかし,抗リン脂質抗体やプロテインC,S欠乏症などの因子は陰性であった.今回の妊娠は6週から低用量アスピリン(LDA)を開始し,PIHの急性発症に対応すべく,27週より入院安静とした.なお,11週より胎児に臍帯ヘルニアを認めており,出生後の新生児手術のために36週の出産を目標に管理していたところ,PIHは出現せずに経過し,35週0日でLDAを中止し,36週0日に選択的帝切にて2526gの児を分娩した.胎児臍帯ヘルニアは同日に一期的に整復術を施行できた.また,胎盤の病理検査では大きな梗塞や炎症所見を認めなかった.母児ともに術後経過は良好で,母は術後7日目,児は術後3週間目に退院した.LDAは早剥の発症に関与するとの報告も一部にみられるが,妊娠高血圧腎症の予防に有効といわれており,本症例のような急性発症の可能性があるPIHと早剥の反復予防に有効であったと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 191-191, 2007


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