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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
胎児異常(3)
妊娠中期に大量の胎児腹水を認めた尿道閉鎖の一例


竹中 俊文, 高木 剛, 勝俣 祐介
群馬県立小児医療センター総合周産期母子医療センター産科


 【緒言】尿道閉鎖は膀胱と羊膜腔との交通が無い場合には肺低形成や腎機能障害を発症し致死的なものとなりうる疾患である.今回我々は妊娠中期より膀胱破裂による尿性腹水を認め,3度の腹水穿刺後自然軽快し生児を得た尿道閉鎖の一例を経験したので報告する.【症例】33才,1回経産婦.妊娠14週に前医で胎児腹水指摘され当院を受診.多量の腹水認めるも胸水や皮下浮腫は無かった.前医での12週の超音波映像に腫大した膀胱様所見を認め,膀胱破裂による尿性腹水と判断した.妊娠16週に腹水穿刺施行し145ccの腹水を除去した.細胞診にて好中球,単球優位の血球を認めた.同時に施行した羊水染色体検査では46,XXであった.胎児腹水の増加が続いたため妊娠22週および25週に腹水穿刺施行しそれぞれ460cc,735ccの腹水を除去した.腹水中のβ2-microgloblin濃度はそれぞれ5.07mg/L,5.05mg/Lであった.胎児の水腎症は認めず,羊水量は妊娠20週までは減少していったが,その後増加した.妊娠25週以降は腹水漸減し妊娠34週以降はほとんど消失,羊水量も減少傾向であった.妊娠41週3日,2820gの女児をApgar 9-9にて経腟分娩した.児には尿道閉鎖,鎖肛を認めた.さらに尿膜管遺残を認め,この部分が腹腔外へ開口していた.腹壁はprune-belly症候群様であった.呼吸障害および腎機能低下は認めず膀胱造影では腹腔内への漏出は認めなかった.日齢2に腹壁閉鎖,膀胱瘻造設,カットバック手術を施行した.【考察】本症例は尿道閉鎖を発症したが,妊娠早期に膀胱破裂により尿性腹水を生じ,さらに尿膜管遺残による羊水腔への尿流出により肺低形成や腎機能障害を生じることなく出生した極めて稀な一例と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 194-194, 2007


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