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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
前置胎盤・癒着胎盤
MRI/MRAによる血流評価が有効であった長期胎盤遺残の一例


東 裕福1), 松永 竜也1), 平岩 由紀子1), 小平 博1), 今井 一夫2)
横須賀市立市民病院産婦人科1), 今井ウィメンズクリニック産婦人科2)


 産褥後に子宮内腫瘤を認めた場合,安易に掻爬すると出血コントロールが難しく,子宮摘出を余儀なくされることもあり,掻爬前の子宮筋層との血流の評価が重要である.その評価には超音波を用いたパワードップラーやMRIが用いられる.今回我々はこれらの検査に加えMRAを行うことで,腫瘤の血流を評価し,比較的安全に掻爬が可能であった症例を経験した.
 28歳1経妊0経産.前医にて妊娠18週子宮内胎児死亡・死産となった際,胎盤剥離困難で死産4日後子宮内膜掻把術を行っている.死産2ヵ月後に不正性器出血を主訴に来院された.血中hCG 7.0mIU/mlと低値であったが,経腟超音波にて子宮内に15mmの腫瘤,内部にモザイク様陰影・造影MRIで同様の所見を認め血流の存在が予想された.腫瘍の生検にて絨毛性疾患を否定した後,化学療法や動脈塞栓術の適応をみるために,MRAを施行した.その結果と血中hCG陰性化より腫瘤への血流は少ないと判断し,根治的子宮内膜掻把術を行った.病理結果は,residual chorionic villi and deciduaであった.術後は腫瘤も消失し,掻爬後20日で月経も認め経過良好である.
 本症例は子宮温存の強い希望に加え,死産後であったため,その対応に配慮を要した.子宮内膜掻把術は術野を目視することできないことから血流が豊富である場合,大量出血を起こしかねない.最近では子宮鏡下で行う施設も増えているが,止血の確実性や施設が限られるため,MRI/MRAによる血流評価が比較的容易に行え,有用と考える.よって,MRI/MRAにて血流の存在が示唆されれば,掻爬前の化学療法や動脈塞栓術などを用いて血流の低下を促した後の子宮内掻爬も考慮すべきと考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 201-201, 2007


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