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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
思春期・更年期・老年期
若年期に発症した卵管捻転の一例


佐藤 茂, 中村 絵里, 呉屋 憲一, 鈴木 隆弘, 松林 秀彦, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学医学部専門診療学系産婦人科


 卵管捻転は比較的稀な疾患であり,術前診断は困難である.また,若年期発症例の場合,初診時に小児科を受診する場合が多く,診断遅延の原因となり得る.今回,我々は若年者に発症した卵管捻転の一例を経験したので報告する.
 【症例】15歳,小学5年時より不登校であり,適応障害の診断にて内服加療中.下腹部痛出現したため近医受診し,胃腸炎の診断にて整腸剤,抗生剤処方され経過観察となったが,38℃台の発熱,痛みが右下腹部に限局,WBC 11800/μl,CRP 14.6mg/dlと炎症反応を認め,入院加療となった.経腹超音波,腹部CT上,卵巣嚢腫が疑われ当院小児外科紹介,MRI上は骨盤内に径8cm大の嚢胞性腫瘤を認め,内部はwater intensityであり,左卵巣嚢腫と診断され,当科依頼に至った.入院時WBC5800/μl,CRP1.60mg/dlと炎症反応は落ち着いていたが,下腹部痛は残存しており,卵巣嚢腫茎捻転を疑い,腹腔鏡施行.腹腔内所見として,大網が子宮及び右付属器周囲に癒着,右卵管の腫大,及び捻転を認めた.右卵巣,左付属器は正常であったため,右卵管捻転と診断.右卵管の壊死所見強く,腹腔鏡下に右卵管切除術,及び癒着剥離術を施行した.右卵巣は温存した.病理学的には著明な壊死と出血の所見を認め,悪性所見を認めなかった.術後経過は良好であり,術後3日目に退院となった.
 卵管捻転の術前診断は困難であるが,低侵襲である腹腔鏡下手術は診断の確定,治療に有用であった.若年者の婦人科疾患では,小児科,及び小児外科との連携を緊密にすることが重要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 213-213, 2007


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