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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
子宮腺筋症・子宮筋腫
胸腔内子宮内膜症による気胸の再発予防に抗ロイコトリエン受容体拮抗薬が奏効する一例


平野 由紀1), 柴原 浩章1), 伊志嶺 めぐみ1), 菊池 久美子1), 種市 明代1), 高見澤 聡1), 藤原 寛行1), 今野 良2), 鈴木 光明1)
自治医科大学医学部産婦人科1), 自治医科大学大宮医療センター婦人科2)


 骨盤外子宮内膜症では子宮内膜と類似の組織が骨盤外に発育し,卵巣ホルモンの影響を受け増殖・分泌・崩壊し局所に障害を示すことがある.我々は月経随伴性気胸に対する外科的治療後の再発予防に,子宮内膜症の疼痛軽減や進展抑制の可能性がある抗ロイコトリエン受容体拮抗薬(モンテルカスト)を投与し,経過が良好であった一例を経験したので報告する.症例は未経妊.31歳で1回目の右自然気胸に対し胸腔ドレナージ施行.9ヶ月後に右自然気胸が再発,胸腔鏡下ブラ切除術施行.その後も月経時に気胸再発を反復し保存的治療を続けた.初発後20ヶ月目に7回目の気胸を再発,胸腔鏡下横隔膜部分切除術を受け,胸腔鏡所見より異所性子宮内膜症と診断された.33歳時に骨盤内精査と挙児希望で近医を受診,両側卵巣子宮内膜症の診断で当科紹介となった.MRIによる診断は両側卵巣子宮内膜症性嚢胞(右5cm,左3.5cm)で悪性所見なく不妊治療を優先した.黄体機能不全以外に不妊原因はなかったが,内分泌学的治療やAIHにより妊娠成立せず,不妊治療開始後1年で気胸を再発しGnRH agonistを6ヶ月使用した.排卵周期回復後,更に数回のAIH不成功を経てIVF-ETへstep upした.採卵16個,分割胚13個を獲得したが妊娠に至らず,再採卵を計画したが気胸を再発し2回目のGnRH agonist療法を6ヶ月行った.治療終了後にモンテルカスト服用希望あり,シングレア10mg/日を開始した.現在約4年間継続しているが気胸の再発なく,卵巣嚢胞径や血中CA125値も安定し副作用も認めていない.本症例のような難治性の骨盤外子宮内膜症に対する非観血的治療の一法として,長期投与でも副作用が少ないモンテルカストが有用となる可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 222-222, 2007


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