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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(1)
切迫子宮破裂を疑い長期入院管理を要した帝王切開術後早期の反復妊娠の一例


阿部 崇, 谷内 良成, 山本 晃人, 山田 隆, 奥田 直貴, 川端 伊久乃, 高橋 肇, 関口 敦子, 露木 圭子, 三田 俊二, 横田 明重, 中井 章人
日本医科大学産婦人科


 帝王切開術既往のある妊婦においてしばしば問題となるのは切迫子宮破裂の診断であり,そのリスクとVBACの可否に関連してtermに入る頃の既往帝王切開創部の厚さによる検討が諸家より報告されている.しかし子宮破裂をおこした場合は母児共に重篤な結果となり得るため,切迫子宮破裂を疑った場合の管理は慎重にならざるを得ない.今回我々は,妊娠21週より既往帝王切開創部の著明な菲薄化と創部痛を認めたため子宮破裂のハイリスク症例と診断,4ヶ月間にわたって厳重管理を行い妊娠37週で生児を得た症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は26歳,1経妊1経産.平成18年5月に帝王切開術にて分娩,約3ヶ月後に妊娠成立した.妊娠初期には特記すべき異常はなく,妊娠21週の経腟超音波断層像で既往帝王切開創部の厚さ2mmと著明な菲薄化を認めたため入院管理とした.入院後,子宮収縮及び創部痛が出現し,子宮破裂のリスクも念頭に置き子宮収縮抑制剤投与に腟洗浄を併用し絶対安静にて管理とした.その後,妊娠週数の経過と共にさらに子宮壁の菲薄化を認めるも創部痛は消失,尿潜血陰性,胎児心拍モニター上の異常所見も認めないため保存的に管理し,妊娠37週5日に選択的帝王切開術にて分娩となった.術中所見では既往帝王切開創部は紙様に菲薄化し,子宮壁を通して児の頭髪も透見された.周囲筋層も菲薄していたため切開創の縫合に難渋し,総出血量は970gであった.今症例は既往帝王切開創部の菲薄化より子宮破裂のハイリスクと考えられたが,長期入院による厳重管理のもと母児共に問題なく経過し分娩に至った.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 265-265, 2007


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